泡盛について

泡盛って?

600年以上も前、琉球王朝時代に生まれた泡盛は高級品で、限られた人しか飲めないお酒でした。
その後、誰もが飲めるようになってからは、そのおいしさがたくさんの乾杯とたくさんの笑顔を生み、人の心をつないでいます。
いまでは、すべての沖縄の人たちにとって大切なお酒です。

泡盛の作り方

菊之露では、熟練の職人たちが、アツく真摯に泡盛と向き合っています。
原料から、菊之露の商品となるまでの工程を紹介していきます。

【原料】

泡盛の原料は、タイ米が主流です。
タイ米は、「製造過程において、管理がしやすい」「他のお米に比べて硬いので、米麹の段階でサラサラとした状態になり混ぜやすい」「アルコールを発酵させる時の温度管理がしやすい」といった特徴があるので、暑い沖縄での泡盛づくりに適しています。

【洗米・蒸】

まず、原料となるお米についている糖分を洗い流して、水に漬け置きをします。
その後、お米を蒸していくのですが、気温や温度の変化によって、細かな調整が必要になってくるため、泡盛職人が培ってきた技術と勘の魅せどころです。

【麹】

蒸し上がったお米を適温まで冷やしたら、黒麹菌を混ぜ、お米の奥まで菌が入っていくように寝かせます。
麹室と呼ばれる特別な部屋で行われ、温度の変化に気を配りながら、適度にかき混ぜることで米麹が完成します。

【醪(もろみ)】

麹に含まれる酵母菌と水が混ざり合うと、醪となって発酵が始まっていきます。
この工程でも、細かく温度を管理し、適度に混ぜ合わせて、醪が発酵しやすい環境を整えることが大事です。
醪の状態を表すデータと感覚を頼りに次の蒸留の工程に進むタイミングを見極めています。

【蒸留】

醪が十分に発酵したら、蒸留していきます。
醪に熱を与えることで、泡盛となっていく原液をつくることができます。
初めはアルコール度数が70度ほどあり高い状態ですが、徐々に薄まっていき、適度に下がったところで、蒸留を終えます。

【貯蔵・熟成】

蒸留した泡盛の原液を濾し、ステンレスタンクや樫樽などで貯蔵することで、熟成させます。
この熟成期間によって呼び名が変わり、1年弱熟成したものが一般酒(新酒)、3年以上熟成させたものが古酒となります。
この熟成の期間は酒蔵によって異なるこだわりのポイントです。

【仕次ぎ・ブレンド】

泡盛を熟成させた年ごとに貯蔵されたタンクから、それぞれ最も古いお酒(親酒)を組み出したら、お酒をその分だけ補充していくやり方が、仕次ぎと呼ばれる伝統的で手間ひまかけた熟成方法です。
各タンクのお酒の質を確認しながら、ブレンドしておいしい泡盛を完成させます。

【瓶詰・出荷】

多くの工程を経てブレンドされるまで、熟練された職人たちの徹底した管理のもと、長い時間をかけて完成した泡盛は、「菊之露」のラベルが貼られた瓶に次々と詰められ、宮古島の工場から全国に出荷され、みなさまのもとへ届けられます。

泡盛 マメ知識

知っていると更においしい!泡盛のマメ知識を紹介します!

似ているようで違う!泡盛と焼酎

泡盛と焼酎は、同じ蒸留方法で製造されるため、日本の酒税法上で同じお酒(焼酎乙類)に分類されていますが、大きな違いがあります。それは、泡盛は黒麹菌のみを使用していること、原料のお米を全て米麹にする全麹仕込みであること。そしてなにより、「古酒」があること。
素材の違いによって味わいが変わる焼酎に対して、泡盛は時間の流れによって、風味の変化を楽しむことができるのです。

古酒は仕次ぎでできている

古酒の量と質を保つために、必要なのが「仕次ぎ」という技術。
おいしい古酒がなくならないように、飲んだ分だけ新しい泡盛を甕に注いでいきます。
こうすることによって、旨味も足されるようになっているのです。
量の限られたおいしい古酒を次の世代にも残せるように。
昔の人が考えたやり方が、いまでも受け継がれています。

泡盛は王様の飲み物だった?

沖縄がまだ琉球だったころ、海外との貿易で蒸留酒が渡ってきたことが、泡盛の歴史の始まりといわれています。
当時、原料となるお米がとても貴重だったため、泡盛は王様や貴族たちしか飲むことのできない贅沢品でした。
また、国外からのお客さまへのおもてなしのお酒として、外交においても重要な役割を担っていました。